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ローヌ川クルーズ・乗船レポート 4日目

■4日目 ヴェルコール。フランス中部の自然の中へ人間が生み出した美しい自然との調和に感動しました。


クルーズでもない限り、行くことのないだろう小さな町、ラ・ヴルテ・シュル・ローヌに船は停泊しています。今日はヴェルコールの山を訪ねるエクスカーションです。朝8時には出発して9時にはスパークリングワインのワイナリー「ジャイランス」を訪ねます。朝からクピクピと試飲。3種類のテイスティングをしましたが軽い味わいの飲みやすい味わいでした。グラスが空くと、「まあ飲みな!」的にお代わりを注いでくれる気っ風の良いワイナリーでした。壁にはフランスの産地の地図が貼られていて、勉強になりました。ほろ酔い気分でヴェルコールに向かいます。山をどんどん登っていくと風景が緑になっていきます。その風景は日本とは大きく違っています。自然そのままではなく、かなり人の手が入っている巨大な、盆栽地帯と見えます。小さな草原であったり、牧草地であったり。人の手が入ることで自然がより美しくなるというヨーロッパの風景の好例です。森の中にセメントのビルを作るような美感の欠如しているような風景はヴェルコールでは見られませんでした。ここは自然と人間の美しい調和が見られ、絶対におすすめです。そして戻りはまたもや、リバー・クルーズでなければ絶対に来ないだろう町、トゥルノン=シュル=ローヌです。船着き場近くの公園では多くの人がペタンクに熱中していました。こんな南仏のローカルな風景は、リバー・クルーズだから見られるものです。なんだか特別な、自分だけの旅を感じられるのはこういうところかもしれません。ここまでを午前中でやってしまう密度のあるエクスカーションができるのも、乗客が100人ほどで港の目の前にバスが来るリバーツアーだからでしょう。



そしてランチです。

リヨン風のサラダ、テンダーロインのオーブン焼き、桃とクリームのアプリコットソース。絶妙に素材を生かしたシンプルな料理に、沢山の味が詰まったソースでの味付けは、まさにフレンチ。毎日停泊する港で新鮮な食材を積み込むのが見られますので、想像するに地元の新鮮な料理が楽しめるようになっているのでしょう。外で地元の料理を食べたいは一度も思わないほどでした。



午後はリヨンまでのクルーズです。

何も予定がなく、屋上デッキチェアに寝転がり、両岸のぶどう畑の風景を楽しみました。プロバンスとローヌ・アルプ地方の境目を船はゆったり進みます。ローヌ右岸は小高い山になっていてますが、そのほとんどが葡萄の農地になっていました。人が生み出した風景です。こんなに美しく、広大なぶどう畑は見たことがありません。日本だと棚田が美しいといわれますがそれに匹敵する素晴らしさです。加えて広大な平地を持つフランスなのに、勾配のある農地を開拓する努力にカルチャーショックを受けました。農業に対する強い誇りを感じられる風景が次々と現れます。これも絶対にクルーズでしか見られない風景です。ぜひ自分の目で見てみてください。

 



陽の長い初夏のフランスの明るいディナーは冷製パスタ、サーモンのクリームソース、絶品のチョコレートムース。どれもハーブなどの小技が効いています。お腹いっぱいなのに完食したくなる美味しさでした。

リヨンで停泊した港の周辺を散歩しましたが、ブルーな夜はとても素敵です。大都会とは思えないほど緑が多く、静寂な風景でした。