メコン川クルーズ・乗船レポート 8日目

■8日目 川からの贈り物と人々の素朴な暮らし


午前、カンポンチュナンいう漁業が盛んな村を訪れました。陶器作成が盛んで、水瓶や植木鉢などとして利用される素焼きの陶器で生計を立てています。粘土を台に乗せると人間がくるくると回り、人間ろくろで器用に作るのです。メコンの土で作りだされる素焼きの器は素朴な美しさ。メコン川上流の中国にダムが作られてしまったので、良い土が流れてこないのだそうです。歩いてヤシの木からパーム・シュガーを作るご家庭へ。庭にヤシの木がありおじいさん(なんと73才!)がするするとヤシの木に登っていきます。まさにスパイダーマン。ヤシの木には雄花と雌花があるとか、いろいろ教えてくれました。民族衣装のサロンを貸してくれて、記念撮影をパチリ。はじけるようなおじいさんの笑顔がとてもまぶしかったです。このような年齢の重ね方って素敵です。最後に七輪作りを見学しました。(ここも人間ろくろ)少し工夫を加えて金属のカバーをつけて割れにくくすると、高く売れるんだ!とのこと。素朴な暮らしがこれからも続きますようにとお祈りをしました。



明日、下船するので最後のランチです。トマトや海鮮のサラダ、野菜の炒め物、さつま揚げ風パンケーキ、フルーツ、ココナッツミルクのお汁粉。今回のクルーズでは野菜がたっぷりと食べられてヘルシーでした。肉ばかりではなく魚貝もたくさん出るので重すぎることもありません。ブッフェ形式なので好きな量だけを食べればよいのも良かったポイント。スパイシーなアジア料理はちょっと苦手・・という方でも十分に食べられるくらいマイルドで繊細な味つけでした。



午後はトンレサップ川をゆっくりとクルーズ。今日は上流で網を大掛かりにかける漁が行われるということで、コチェンまで引き返すことになりました。雨季の場合はトンレサップ湖まで行くこともあるようですが、中国ダムの影響で水位が低くトンレサップ湖まで行くことは年々難しくなったのだそうです。この地域は農業と漁業が主な産業のようです。途中、水上村を通りかかりました。洗濯をする人、歯磨きをする人などが見えます。漁業で糧を得ながら水上で暮らしています。ガイドのヴァンさんによるカンボジアについてのレクチャーが開催されました。最盛期のクメール王国時代には現在のカンボジア、ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマーが含まれるほど強大な国だったようです。アンコール遺跡群やタイのピマーイ遺跡など、素晴らしい文化が残されています。アンコール遺跡はあらゆる場所から物資が集まる交易拠点として繁栄したそうです。



今日は最後のディナー。このクルーズでお世話になったスタッフ全員が紹介されます。安全に操縦してくれる船長、毎日のプログラムを考えてくれるクルーズ・ディレクター、停泊する度に縄で船を結んでくれるスタッフ、美味しい料理を作ってくれたシェフ、笑顔で持ってきてくれるウェイトレス、きれいに掃除をしてくれるスタッフなど、皆さんのおかげで楽しいクルーズでした。ディナーは3コースメニューで、二種類から選べます。私はシュリンプ・カクテル、鴨肉のステーキ、フォンダンショコラをチョイス。最後のディナーも大満足でした。