メコン川クルーズ・乗船レポート 2日目

■2日目 ベトナム戦争とコロニアル時代、歴史を感じる。


朝ごはんはヨーロッパ風とアジアごはんのミックススタイル。気分に合わせて選べるのが嬉しいです。各種ジュース、ハム、チーズ、ベイクドトマト、ソーセージ、パン、おかゆなど。シェフが好きなトッピングを選んで卵料理を作ってくれます。バターや玉ねぎやハーブなどを入れて手慣れた手つきで作ってくれるアジア風のふわふわオムレツ。旅に出たから味わえるちょっとした贅沢な体験に嬉しくなります。コーヒー、紅茶は各自に持ってきてくれて、濃いめのコーヒーがベトナムならではの味です。



午前はクチトンネル観光へ。道は働きに出かける人々のバイクでいっぱい。ホーチミン名物の『渋滞』にはまり全然進みません。我先に!とどんどん突っ込んでいくのでカオス状態です。

やっとのことで『クチトンネル』に到着。1946年から20年間にわたり、ジャングルの真ん中に人力で作られた『秘密の地下道・防衛トンネル』です。会議室、煙の出ないキッチン、救急医療エリアなど様々な機能に応じて分かれていました。各場所厳重な秘密に守られ、誰も全体像を知らなかったとのこと。このような地の利を生かしたゲリラ戦法でアメリカとの戦争に勝利したのです。すごい根性だなあと感心しつつもこのような暮らしを送らざるをえなかった時代は悲劇の歴史です。フランス植民地支配、第二次世界大戦、独立戦争、ベトナム戦争と外国により蹂躙され続けたベトナム。これからの発展を願います。



クチトンネルからの帰り道、バスの窓から眺めているとジャングルの木には缶がぶら下がっています。ガイドさんによると、これは木を切りつけてゴムの樹液を採取するプランテーションなんだそうです。帰りも渋滞に巻き込まれ、お昼過ぎに船に戻ってきました。少しほっとします。

そして待ちに待ったランチタイム。昼食はブッフェ・スタイルです。サラダや肉や魚の炒め物などのベトナム料理、フルーツ。ハーブの香りとちょっとスパイシー。あまり脂っこくなく、ごはんに合うのでお箸が進みます。ベトナム人がスリムなのは野菜たっぷりでヘルシーな料理を食べているからかな?と思いました。マンゴーは日本では結構お高いので、ここぞとばかりにたくさんいただきました。幸せな気持ちになります。



午後はホーチミン市内の中央郵便局へ。フランス統治時代に建てられたコロニアル様式の美しい建物です。中は郵便局としても使われていますが、お土産屋さんがいっぱい。この場所で英語やフランス語への代筆をしていたおじいさんが昔いたのですが、最近94才で亡くなったんだそうです。

その後、街を散策しました、高校生のダンス甲子園!のようなイベントが開催されていました。ベトナムは若いエネルギーで満ち溢れています。高層ビルの隣にはレトロなビルが残されていて、ショップやレストラン、カフェなどとして利用されているそうです。レトロな雰囲気が若い子たちに大人気とのこと。すべてが新しいものに建てかえずに古い建築と上手く融合する街。とはいえ中国の大資本がかなりのウェイトを占めているとのことで、どのように変化していくのでしょうか?



夕食は3コースディナーでした。チョイスが出来るのですが、私は野菜のキッシュ、豚のテンダーロイン・ステーキ、チーズ・ケーキを選びました。昼はアジアン・テイストなので夕食はヨーロッパ料理でバラエティ溢れています。どれも美味しかったです。

夕食後はフランス映画『インドシナ』が上映されました。カトリーヌ・ドヌーブ主演のフランス統治時代のゴム農園から独立戦争にかけてのお話です。ベトナム各地の美しい風景が登場する映像の美しい映画です。カトリーヌ・ドヌーブはとても美しくエレガントでホテルのインテリアもおしゃれ。30年前に映画を見た時、若きイケメン将校役のヴァンサン・ペレーズはかっこいい!と思ったものですが、今となってはなぜ皆この男を愛するのか分からない・・・。昔は言葉を交わさない『ひとめぼれ』が多かったのでしょう。時代背景なのでしょうが、ベトナム人使用人への接し方などアジア人としては心痛くなります。