メコン川クルーズ・乗船レポート 3日目

■3日目 ミトーでジャングルーズ体験とハチミツ農場


MS IndochineⅡの客室は快適です。客室は18㎡、バルコニー(4㎡)もついています。ベッドからの水辺の眺めが抜群です。シャワー、洗面台も快適です。シャワーの水圧も問題なし。クルーズならでは分厚いタオルは贅沢な肌触りが気持ちよい。うがい用のお水も用意されています。トイレは洗面室とは別の場所にあります。テレビあり、ラウンジで上映される映画を客室内で見ることも出来ます。冷蔵庫にはミネラルウオーターが常時置いてるので、のどが渇いた時に便利。スーツケースから服は全部出してクローゼットに仕舞いました。ベッドの下にスーツケースは収納可能です。セーフティボックスも備え付けられていますが、案の定、暗証コードを忘れてしまいました。ガイドツアー用のヘッドセット(離れても聞こえるイヤホン)が備え付けられていますが、失くしたら€100払わなくはいけないのでご注意。



午前中はのんびりとクルーズ。ホーチミンを少し離れると自然の真っただ中です。ボートに目玉が描かれているのは世界共通の文化で、東南アジアや中国、沖縄などで見られます。邪視(イーブルアイ)なのでしょうか。午前中はガイドのヴィンさんによるベトナム勉強会。北部、中部、南部では文化や言葉が違うこと。歴史的に中国とのかかわりが深いけれど、歴代中国王朝の攻撃を、その都度撃退したこと、それを誇りに思っていることなどを話してくれました。ヴィンさんは僕は華僑だけどベトナム人!と誇りを持っています。昼食はブッフェスタイル。お肉の甘辛焼き、野菜のオイスター炒めが絶品です。やっぱりアジアに来るとパラパラのお米『ジャスミンライス』が合うのです。



昼食後はミトーエリア観光に出発です。まずはフルーツ・ファームへ。美味しい文旦やドラゴンフルーツ、パイナップルをごちそうになりました。普通の家屋にもジャックフルーツの木があります。赤土で地味豊かな感じはしませんが、さんさんと輝く太陽の贈り物なのでしょう。蓮茶が入っている素朴なポットが可愛らしい。かわいいね!と伝えると、え???みたいな返事でした。ベトナム人は普段使いすぎて、可愛いとは思わないのかもしれません。ファームの人がローカル・ソングを歌ってくれました。次は、おばちゃんの操縦するボートでジャングルクルーズ、とてもピースフルな時間です。はちみつファーム

では蜂の巣の披露とハチミツティーをごちそうになりました。ロイヤル・ゼリーのクリームは結構お高めでした。船に戻りデッキのプールに飛び込めば、一日の疲れが水に溶けていきます。ゆっくりと日が暮れていきます。



今日の締めくくりの晩御飯。キャベツとさつま揚げのアジア風サラダ、豆のスープ、チキン・マサラ、エビのタマリンド・ソース炒め、青梗菜、クレープのフルーツソースでした。今日の料理はテーブルに大皿で出されてシェアするスタイルです。今回はイギリス人、オーストラリア人やベトナム人、カンボジア人など多国籍。つたない英語を駆使して、ベトナムでの嫁姑問題など、カンボジアの教育事情などについて話しました。今まで知らなかったこと、違う国の価値感などを知ることが出来るのは、同じテーブルを知らない人とシェアするからこそ。クルーズならではの醍醐味です。少し自分の世界が広がるような気がします。もちろん個人の好みもあるので『知らない人とはちょっと・・・』という場合は別々のテーブルにしてくれます。

夕食後はフランス映画『ラ・マン』が上映されました。貧しいフランス人少女とお金持ちの中国人青年の愛。異なる人種間の恋愛はタブーであった時代、少女の純粋さと残酷さ、揺れ動く気持ちが描かれています。茶色いメコン川、ジャングル、雑多な中国人街、コロニアル建築の美しいサイゴンの街が美しく描かれます。お互いにお金と肉体関係と割り切っていたけれども、最後にとても愛していたのだと気がつくのです。貧乏で家庭内暴力など自分ではどうしようも出来ない状況に苛立つ少女、伝統的な役割を期待され家族から逃れて自由に生きたい青年の思いなど、現代でも若者は同じように感じているのかもしれません。